御神木祭(ごしんぼくさい)

20年毎に執り行われる神宮[伊勢神宮]式年遷宮において要となる御樋代(みひしろ)。
御樋代とは御神体を納める器の事で、その材となる御樋代木(みひしろぎ)は御神木(ごしんぼく)とも称され、特に杣人(そまびと)[きこり]など山仕事に従事する人々から神聖視されてきた。
昨今、御樋代木の奉搬はトラックによる陸送となり、木曾谷[長野県]・裏木曾[岐阜県]国有林から伐り出された御樋代木は、それぞれの経路を沿道各地で歓迎されながら伊勢まで奉送される。その歓迎式典を「御樋代木奉曳式」という。
当地は岐阜県経由の出発点となる。
御樋代木の祖神(おやがみ)である木曾山の御神霊を祀る当社と、御樋代木の古里[故郷]である氏子地域では、特に奉曳式に加え、御樋代木の奉安祭・奉送祭を執り行う。
当社ではこれら一連の式典をまとめて「御神木祭」と言う。

平成17年 護山神社御神木祭[6月5日〜7日]の経緯

護山神社「御樋代木奉安祭・奉送祭」

5日

御神木「裏木曾御用材伐採式」で伐り出された皇大神宮[内宮]御用・豊受大神宮[外宮]御用の2本の御樋代木は、造材・化粧掛けを済ませ、伊勢両宮[皇大神宮・豊受大神宮]の御神霊と共に裏木曾国有林から護山神社へ奉搬される。
20時過ぎ境内到着。直ちに「御樋代木奉安祭」が執り行われ、お招きした伊勢両宮の御神霊と木曾山の御神霊である護山神社御祭神へ、御樋代木伐出の無事を奉告して感謝の念を捧げ、木曾山から御樋代木を輩出する栄誉を寿ぎ、氏子による神事芸能が夜更けに及ぶまで奉納される。
その後、御樋代木は祖神(おやがみ)である御祭神の許で一晩安置される。

6日

早朝、予め伐採されていた予備木をトラックに積み増して3本の御樋代木が揃う。 9時、「御樋代木奉送祭」が執り行われ、御樋代木の晴の門出を祝うと共に氏子地域挙っての奉曳式・奉祝行事の安全と伊勢路の無事を祈念する。

御樋代木奉曳式[護山神社〜下付知奉安所]

6日

10時、木遣音頭を合図に護山神社を出発。
下付知奉安所[裏木曽街道公園]までの「御樋代木奉曳式」開始。






奉曳行列は護山神社氏子を中心に中津川・恵那市民で構成され、三輪神楽・中津川市消防音楽隊・木遣音頭・おんぽい節・稚児行列・裏木曾奉賛会と続く。付知町内の旧街道約8qの行程を、町内各地区の氏神神社を遙拝しながら1日かけて奉曳する。
16時半、道の駅『花街道 付知』に隣接する奉安所『裏木曽街道公園』に到着。

 

 

 

下付知奉安所「御樋代木奉安祭・奉送祭」

6日

17時、奉安所にて「御樋代木奉安祭」が執り行われる。
内容は護山神社での奉安祭に準じたもの。
『裏木曽街道公園』では前日・当日と、付知町商工会[現・中津川北商工会]主催の協賛イベント「花フェスタ2005ぎふ御神木フェスティバル」が開催されており、奉安祭後は郷土芸能や当地を題材とした新作能「宮島(みやじま)」の奉納の他、餅まきや打上花火の各種イベント、前日執り行われた「裏木曾御用材伐採式」の様子をビデオ放映する。
日の入りになると1500本のキャンドルが灯され、御樋代木のかがり火と相まって会場は幻想的な雰囲気に包まれる。
安置された御樋代木を一目見ようと、中津川・恵那市民は元より近隣地域からも多数来客があり、歓迎式典は大盛況のうちに幕を閉じる。
その後、御樋代木は古里[故郷]での最後の一夜を過ごす。

 

 

 

7日

8時、「御樋代木奉送祭」が執り行われる。内容は護山神社での奉送祭に準じたもの。
その後、先行車両・御神木供奉車列を整え、岐阜県警交通機動隊の先導により『裏木曽街道公園』を出立する。

 

その後、御樋代木は

7日

中津川駅前公園→瑞浪市駅前→瑞浪中央公園→八百津町役場→美濃太田駅前→木曽川緑地ライン公園[宿泊]

8日

木曽川緑地ライン公園→伊奈波神社→南宮大社→今尾神社→木曽三川公園 と、岐阜県内各地で熱烈な歓迎を受けながら三重県入りをし、伊勢大橋南詰[三重県桑名市]の広場にて木曾谷国有林で伐採された御樋代木[長野県→愛知県経路]と合流して神宮へ納められた。